松井屋酒造場     

松井屋酒造場   

 
  富加町加治田は美濃から飛騨へ通じる街道の要衝に位置し、戦国時代には織田信長の中濃攻めの要衝として、江戸時代には宿場町として栄え、近隣の村々の中心でした。
 織田信長の中濃攻めに登場する山城「加治田城」の麓には、城主佐藤氏の菩提寺である龍福寺がひっそりとたたずみ、静かな町並みが飛騨と美濃を結ぶ街道沿いに広がっており、その町並みは戦国時代の城下町を彷彿とさせます。江戸時代になると「松井屋」「文之字屋」などの地元の有力者が、酒造業をおこなっていました。そのうち「松井屋」は「松井屋酒造場」として、今も当時の酒蔵を利用しながら酒造りを営んでいます。江戸時代の酒造りのほぼすべての工程に関する道具と、酒造りを行う酒蔵が一体となって残り、なおかつそこで今も酒造りを営んでいるという希有な「民俗資料」であるとして、松井屋酒造場は平成7年6月に、酒造場3棟、酒造用具3,143点及び酒造文書459点が岐阜県重要有形民俗文化財に指定されました。岐阜県指定の際の名称は「富加の酒造用具及び酒造場附文書」となっています。
 酒蔵の年代は、鬼瓦に彫られた寛政9年(1797年)の年号や、棟束にくくりつけられていた守り札に書かれていた寛政7年(1795年)の年号から、江戸時代中期の寛政年間に建造されたものと考えられています。入り口の大戸(おおど)をくぐり、江戸時代の落ち着いたたたずまいを残す帳場(ちょうば)に目をやりつつ土間に進むと、真っ直ぐに伸びた木を切り出して、そのまま使用した六間半(11.7m)の大梁(おおはり)の迫力に目を奪われます。建築当時のものとされる柱や梁は驚くほど太く、迫力をもって見るものを圧倒します。入り口の大戸(おおど)や蔀戸(しとみど)、太い鬼格子なども建築時のものであり、日本建築の情緒を醸し出しており、近世町屋の形態をよく残す、優れた建築物といえます。

松井屋酒造資料館の正面 松井屋酒造資料館の入口 酒蔵内の酒造用具
▲ 松井屋酒造資料館の正面 ▲ 松井屋酒造資料館の入口 ▲ 酒蔵内の酒造用具

 
 また酒蔵に保管されている酒造用具は、仕入れ、仕込みから出荷まで、酒造り工程のほとんど全ての道具が揃っている数少ない貴重な資料です。明治以降、酒造用具の機械化が進む中で、松井屋では伝統的な用具を使用した酒造りを続けた結果、現在まで用具がくまなく残されました。
 こうした文化財である酒造場は「松井屋酒造資料館」として酒造用具、古文書とともに一般に公開されています。また酒蔵2階には、明治~昭和初期の生活道具も展示されています。 その一方で、現在も酒造りを営み、「半布里戸籍」「加治田城」などの手作りのお酒や、地元特産の古代黒米・赤米からとった地酒などの雫搾りの数量限定酒などを生産しています。
 その他にも、酒蔵を利用した演奏会などのイベントもされています。


お問い合わせ
〒501-3301 富加町加治田688-2
松井屋酒造場資料館  TEL・FAX 0574-54-3111
ホームページ:http://homepage2.nifty.com/matsuiya-sake-musium/index.html
◇ 開 館
◇ 休館日
◇ 観覧料
午前10時~午後4時
月曜(祝日の場合は翌日)・年末年始 
大人300円、小人150円(10名様以上で割引有り)

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